Seminar

   
 本研究は定期的なセミナーを通じてシナジー効果を最大限に発揮させることにより、分野的発展性及び学術的生産性の高い研究を実現する。2004年以降現在に至るまで、本研究の代表者が中心になって、早稲田大学産業経営研究所・大学院商学研究科経済学合同セミナー(金曜セミナー)を開催してきた。国内外から経済学を中心として、関連する様々な分野の有力研究者・若手研究者を招き、時には世界的な研究者を招聘した。初年度から3年間は月4回、現在は月2回(原則的に第2・4金曜日16時30分~18時)のペースで開催し、今回の科研費申請における発想の原点となった 本研究では、この金曜セミナーを発展的に強化することで、当研究進展の力とする。もちろん、当研究成果の最初の報告の場として、当メンバーによる発表も行われる。




 当研究テーマ遂行のためには、現地の社会的特徴や環境的課題の把握が不可欠であり、文化人類学をはじめとする関連する諸学との連携が必要である。特に市場の生成と発展のメカニズムの解明のためには、文化人類学における贈与、互酬、交換、貨幣、分業等に関する層の厚い研究の蓄積は経済学的な洞察を深めるためにも重要であり、文化人類学者と経済学者等との共同作業は、学問の新たな地平の開拓と学問の深化のために大いに貢献するだろう。さらにFSMの人々のリスクに対する態度や彼らの市場活動の成果を評価するため、心理学に基づく経済厚生の計測は、市場参加者の市場に対する適性や耐性を把握するために不可欠である。このように、多様な分野の研究者の参画によって経済理論の新しい創造を行うというのが、本プロジェクトの根源的かつ基本的なねらいである(図参照)。したがって、上記に加え、歴史学や生物学など関連する多様な研究分野における研究フロンティアをメンバー間で共有するため、学内外から最適な専門家を招聘し、研究会や講演会を開催する。当研究の最終段階には、当研究成果の公開のため、幅広い聴衆を対象としたフォーラムやコンファレンスなども開催する。